2018年12月22日土曜日

4390 ips(アイ・ピー・エス)の1:5の分割と狙いについて


1 はじめに
本日時点のipsの株価は6120円。
私が、前回ブログを書いたのが、11月23日で、そのときの株価が6890円。
昨日、一時6000円を切り、初値を割った。

というわけで、
今は個人株主、上場後に買った機関投資家も含めて、「全員含み損状態」である。
私のマイルールでは、1つだけロスカットラインを定めなくても良い「心中銘柄」を作ってもよいことにしている。
それがこのipsであり、今の一番の主力銘柄である。今のポートフォリオはキャッシュポジション多めではあるが、保有銘柄が大きく落ち込んで本当に心中しそうになるのは洒落にならない。

この一カ月で、ipsに何が起こったかというと、

・12月11日に株式分割(1:5)を発表
・12月21日に中間報告書発表(分かりやすく、簡潔にipsの強みが書いているので、ホルダーは読んでおくべし)


というだけであり、会社に何か悪材料が出たわけではない。むしろ分割は好材料であり、それが今6120円というのは、何とも無慈悲な地合いである。

ただ、それでも言おう。どれだけ高値掴みした人も、中長期でみれば助からないipsなど存在しないと私は本気で思っている(短期は知らない)。それだけの魅力を感じている。


2 株式分割について

さて、今日は12月11日に発表した株式分割について、追ってみたい。

もともと、有価証券上場規定445条には
「上場内国株券の発行者は、上場内国株券の投資単位が5万円以上50万円未満となるよう、当該水準への移行及びその維持に努めるものとする。」

ということが定められており、株価が5000円を超えているipsについては分割への期待はあった。

問題は、「なぜ1:2ではなく、1:5なのか」ということである。

近視眼的な株価の目線からすると、1:5よりも1:2の方が、今後また分割があるのではないかという余力も残しているように見え、また浮動株の数も大きく増えないので、1:2の方が良いように思える。

実際に、分割発表後に8000円を超えたものの、その後6000円になってしまったので、分割による株価の刺激はなんとも切ない結果となった。

そこで、「なんで1:5なのか?」ということになるわけである。

この点について、私の予想は1つだけである。というか結構確信に近いものも持っている。

1:5への分割理由は
ipsは来期に東証一部への昇格を狙っている」からである。

今現在、東証一部昇格の基準のうち、ipsが満たしていないのは
「株主の数2200人以上」だけである。

四季報の最新号によると、現在の株主は974名であり、あと1200人少し足りない。

そうすると、株式分割を細かく行って、個人株主が買いやすい値段にする必要がある。
個人株主が買いやすいとされている価格はおよそ20万円位までと言われており、今回の株式分割はその価格帯を狙って、個人株主を増やすことを狙ったと考えられる。

さらに、もう一つの理由としては
「社長の保有割合をできるだけ減らさないようにして、東証一部への昇格を狙っている」
ということも挙げられる。


というのが、東証一部への昇格にあたり、最後は足りない株主数を補うために、立会外分売を行うことで株主数を一気に増やすことが予想される。

このとき、社長の持っている株式を市場外で証券会社に渡すことになるが、株式数が少ないと社長の保有割合が大きく減ってしまうのである。そこで、5分割をすることで株式数を増やしてしまえば、少しだけ渡すことで、株主数を大きく増やせるという訳である。

ipsは、今年の上場にあたって、なんと社長が自分の株を1つも売らずに上場している。普通は上場するにあたり、ほとんどの社長が5億以上のキャッシュを手に入れているものであるが、ipsに関しては、上場にあたって社長自身は株を売ることによるキャッシュを得ていない。

これは数億円のキャッシュよりも、社長の目指すところが、より高いというあらわれとも見て取れる。


少し脱線したが、というわけで、
今回の1:5の分割の主な目的は、「社長の保有割合をできるだけ減らさないようにしつつ個人株主数を増やして、来期東証一部への昇格を狙う」ことである。


ここまで、考えると、次に連想するのは、株式分割だけで個人株主がどこまで増えるのか?ということである。

本気で来期一部昇格を狙っているのであれば、「個人株主に買ってもらったまま、そのままホールドしてもらうための作戦」が必要である。

配当もなく、株価も下がれば個人株主は逃げ出すだけであり、中々数を維持できないからである。

個人的には、次の手は「株主優待」になるんじゃないかと思っている。

この点の答え合わせは、来年の春ごろになろうか。
引き続き、応援していきたい。