2018年11月25日日曜日

これからの投資戦略~ダウの犬投資法~

今、私のPFは4390ipsと4595ミズホメディーのみで、あとはキャッシュポジションである。

中々銘柄を増やせないのは、地合いが悪いというのが大きな理由で、チャートのトレンドが壊れている銘柄が多いので、INできない。

私の場合、ロスカット基準を決めないいわゆる「心中銘柄」は1つだけとマイルールで縛っている。というわけでキャッシュポジションが多くなる。

今後の戦略については、いくつか考えているのだが、その一つが「ダウの犬投資法」である。

簡単に紹介してみたい。

ダウの犬投資法は、アメリカのトップマネジャーであったマイケル・オヒギンズという人が考案した投資戦略で、理論はとにかく「シンプル」である。

30銘柄で構成される「ダウ」から「配当利回り」の高い順に5つ(10とする場合も)買っていき、1年経った後で、もっともその中で配当利回りが低いものを入れ替えていくというものである。

これだけで、平均を遙かに上回るパフォーマンスを上げていたのである。

その視点は「超優良」「高配当」「割安」である。
配当利回りが高いというのは、何らかの理由で不人気な場合があることが多く、超優良株の地力で負け犬の復活にかけるという意味もある。

これを日本株でやろうとする場合、一般的に言われているのは「コア30」で「コアの犬投資法」ある。おそらく日本のファンドでもこれでポートフォリオを組んでいるところは結構あると思う。

で、私がやってみたいのは「中型株の犬」で、時価総額があまり大きくないものの中で、業績が悪くなく、高配当のものから5つ選んでやってみたいというのが、今の考えである。
このやり方だと「超優良」の視点は失われてリスクは高くなり、また銘柄選定に時間はかかるが、そのかわり中小型株ならではの大幅上昇の夢がある。例えば去年の太陽工機のような株を発掘できて長く持つことができたら良いなと。まあ、シンデンハイのように死ぬのもあるが。

今後の地合い次第でどうするかはまだ全然決めていない(できれば年末ラリーきてほしい)のだが、守りの投資法を採用すると決めた場合には、やってみたいと考えている。

2018年11月23日金曜日

4390 ips アイ・ピー・エスの機関投資家説明会資料を読んで(2018.11.23)

1 はじめに

11月21日、アイ・ピー・エスは機関投資家向けの2Q説明会を行った。
IRは、機関投資家向け説明会が始まるよりも前の午前11時に、個人投資家も見ることができるように、資料を公開している。

アイピーエスについては2週間前に一度ブログに書いており、
11月9日の2Q決算短信と動画を見たときのことは
「4390 ips アイピーエスの検討」
↑↑↑にまとめている。

株価は本日現在で6890円。上場初日か、ここ最近で買った人以外は全員含み損のはずであり、つらい気持ちの人が多いかもしれない。チャートも壊れている。
ただ、私の中ではこの銘柄はテンバガー候補と考えており、その考えが強いせいか、あまり含み損もストレスにはなっていない。
そして、今回発表された資料を見て、さらに考えは強まっている。どれだけ高値掴みした人も、中長期でみれば助からないipsなど存在しないと本気で思っている。

さて、今回、公表された決算説明会資料で、新しいことがいくつか分かった。
内容は60ページにわたるものだが、とても内容が充実している。

ipsについては、「フィリピンは伸びそうだけど、色々な事業をやっていて、詳しいことはよくわからない」という人が多かったと思う。
結構ipsについて調べている私ですらそうだったのだから、みんなもきっとそう(にちがいない)。

良くわからないままだと、下期がどうなるのか、来期がどうなるのかについては中々イメージしにくい。そうするとこれだけ株価が下がるとホールドしにくい。という流れにつながるのも良くわかる。

それが、今回の資料では、各事業について数字と強みが丁寧に説明され、イメージが非常にクリアになった。

また、今回の資料でinifiniVANのフィリピンへの上場も含めて、いくつかの新しい情報がわかった。

というわけで、今回は、資料をもとにしてポイントをまとめてみたい。

2 海外通信事業について

フィリピンにあるケーブルテレビ(CATV)向けの事業である。
今回の資料で、長期にわたって、取引先は20社であったことがわかった。同じ取引先から徐々に回線の注文量が増えていく形で売上を伸ばしていたものと思われる。










それが、今回の3Qで取引者の数が20⇒24へと増えた。
これまではずっと取引業者数は20社であり、3Qで4社増えた。その経緯は、11月6日のプレスリリースに記載されている。

今回、新規の取引先は売上が1社あたり1~3億でこれを5年で計上するとのことであり、1社あたり年間売上は2000万~6000万円となる。
そして、新規取引先のCATVが地域の住民らに営業してインターネット契約をしてもらう数が増えれば、また回線の量を増やすために再注文があるような形なのであろう。

ここからである。今回、初めて今後取引先が拡大していく見込みであることが公表された。
Qごとに4社を目標とし、今期4Qで28社、来期1Qで32社、来期2Qで36社、来期3Qで40社、4Qで40社フルになることを予想している。
来来期、新規が20社フルで契約が取れていれば、今よりも4億~12億の範囲で売上げが伸びる。利益率も前期を基準とするかぎり、約3割と高い。

もちろん、現状の20社の取引先は長年かけて徐々に売上が大きくなっているものであるから、取引先が倍になったからといって、売上も利益も倍になるというわけではないことには注意が必要である。

この目標は実現可能性に乏しいものではなく、すでに合意を形成している段階のものもあり、なんとかやってくれそうな気がしている。

5年かけて払うということで、ストックビジネスに近くなることも心強い。

来年5月の来期予想でも、この伸びは同じ見込とすることが予想される。売上も利益も右肩上がりにいくことが期待できる内容である。

3 フィリピン国内通信事業について


マニラを中心とした都心部における法人向けのサービスである。
私が、一番期待している事業でもある。

今回、ビル数に法人顧客数、そして、帯域量の数字が新たに分かった。
・ビル数というのは、光回線をとおしてipsがサービスを提供可能になったビルの数である。これがないと営業をかけにいけない。
・法人顧客数というのは、今現在の契約をとってきている法人の数である。
・帯域量というのは、単位はメガであるが、大口顧客は帯域量に応じて料金を支払う形になっている。
 帯域量に20ドルを掛け算して、古い取引先の基本料を足し算すると、月の売上高が推測できる形になる。大口需要家を優先して営業しているとのことなので、帯域量×20$が徐々に月売上に近づいていくことが予想される。

注目すべきは、その伸び率である。
法人顧客数は、半年間で2倍近く
帯域量については、半年間で4倍以上
となっている。

しかも↓をみると、市場規模800億円の中、シェア15%を目標にしているとのことで、本気で年間売上120億を目指している。
光回線を開通させてビルを増やす⇒営業をかける⇒契約してサービス提供
の流れを繰り返して、将来的には1ヶ月売上10億まで、是非とも頑張ってほしい。





4 医療美容事業について

 


 
 売上高が急激に伸びている。
 レーシックの施術数は、フィリピンで1位である。
 レーシックは手術時間が両眼で3分と非常に短く、現場の2クリニックでもニーズに対応できているとのことであり、収益力も高く、このまま安定成長を続けて欲しい。
 市場規模との兼ね合いで、成長にも限界はあると思うが、今の状況のipsにおいては、ありがたい売上と利益である。

5 おわりに

 沿革をみていると、今ipsは日本国内で行う国内通信電気事業、在留フィリピン事業からフィリピンでの事業へと大きく転換していることが分かる。

 今回、数字が加わったことによって、非常に資料が説得的に感じた。この資料と説明をもって、機関投資家を願わくばぐっと捕まえてほしい
 
 今、大きな挑戦の時期にあるipsを、乗り越えてくれると信じて、応援していきたい。

   

2018年11月19日月曜日

ゴーンと金融商品取引法違反と罰則

日産自動車のカルロスゴーン会長が、東京地検特捜部から取調べを受けている。

任意同行⇒逮捕への流れということで報道されているが、特捜部が逮捕する場合には、一旦任意同行を取ってから逮捕するのが通常である。なので、これから逮捕の流れは間違いないと思う。

そして、特捜部が逮捕するときは、証拠隠滅されないように事前に捜査をする。その上で、たとえ取調べで否認されたとしても、起訴できるようにと証拠を固めてから逮捕するのが通例である。なので、証拠関係も客観的なものは既に十分整っていると思われる。

さて、ゴーンは何をしたのか。
現時点での報道によれば
「自らの報酬を過少に申告した疑い」ということである。

簡単に言えば
本当の報酬はもっと多いのに、嘘をついて少なく有価証券報告書に記載させた
ということである。

有価証券報告書上は「7.35億円」もらってると記載されているが、これよりも多いだと・・?

ちょっと法律を見てみる。
有価証券報告書の虚偽記載について、金融商品取引法197条1項1号をみると

第百九十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第五条(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による届出書類(第五条第四項の規定の適用を受ける届出書の場合には、当該届出書に係る参照書類を含む。)、第七条第一項、第九条第一項若しくは第十条第一項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による訂正届出書(当該訂正届出書に係る参照書類を含む。)、第二十三条の三第一項及び第二項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による発行登録書(当該発行登録書に係る参照書類を含む。)及びその添付書類、第二十三条の四、第二十三条の九第一項若しくは第二十三条の十第一項の規定若しくは同条第五項において準用する同条第一項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による訂正発行登録書(当該訂正発行登録書に係る参照書類を含む。)、第二十三条の八第一項及び第五項(これらの規定を第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による発行登録追補書類(当該発行登録追補書類に係る参照書類を含む。)及びその添付書類又は第二十四条第一項若しくは第三項(これらの規定を同条第五項(第二十七条において準用する場合を含む。)及び第二十七条において準用する場合を含む。)若しくは第二十四条の二第一項(第二十七条において準用する場合を含む。)の規定による有価証券報告書若しくはその訂正報告書であつて、重要な事項につき虚偽の記載のあるものを提出した者


とある。
法律があまりにも読みにくい。。。

が、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金と両方が刑罰として課されるということがわかる。社会をにぎわせてる程度もあって、今回は結構重い気がする。

これにくわえて、課徴金規定(金融商品取引法172条の4)があり、
600万円か時価総額の10万分の6の大きい方が課徴金として課される。

今の日産自動車の時価総額は
4兆2439億2900万円であるからこの10万分の6は
2億5463万5740円ということになる。罰金より課徴金の方がきつい。

日産自動車についてはどうか?
金融商品取引法207条を見ると、代表者などが違反行為をした場合、会社に対しても罰金を科すという規定があり、

有価証券報告書の虚偽記載は7億円以下の罰金

である。

罰金という意味での日産の最大リスクは7億円以下の罰金なので、金銭的損失の意味では大したことないように感じる。

ということは、日産の株価はゴーン会長がいなくなることによる不安やゴーン抜きで今後やっていけるかというところを市場がどのように受け止めるかということになるかな。

個人的には、いくらゴーンの下でのリストラで劇的な回復を果たしたとはいえ、前期は売上も利益も低迷している状態の中、超高額報酬でゴーンをこれ以上居させても利益にならないと思うので、不正をしていたゴーンを追い出すことはむしろ好感している。

ちなみに、海外販売でゴーンがどのくらい剛腕を振るっていたのかは全く知らない。

ので、個人的に株価は戻って、逝っちゃわないと思っているが、今ルノーの株価は逝ってますね。このまま逝っちゃったらごめんなさい。


~追記~
さっそく日産からプレスリリースが出ました。
当社代表取締役会長らによる重大な不正行為について

これをみると、日産からの内部通報のようですね。しかも日産の資金を私的に使うなどの不正行為もゴーンはやっていたようです。

権力の腐敗をただすという意味で、やっぱり好感してます。








2018年11月9日金曜日

4390 ips アイ・ピー・エスの検討(2018.11.9)


本日2Q決算を発表した。
10月24日の上期上方修正で、1Q比減収減益であったため、成長性鈍化と市場に受け止められて暴落した。
が、ここには大きな魅力があり、私の中ではテンバガー候補銘柄である。簡単に、検討結果をまとめたい。

1 「長期的に売上高200億円、経常利益50億円」
 これは、ジャパニーズインベスター98号においての、宮下社長のインタビューで出た数字である。
 IRから数字の詳細について聞いたところ、機関投資家からの「期間は限定せずに、どの程度の規模まで行かせることができるか」との問いに対して、ipsが「今回の調達資金で行う投資計画をベースにして出した数字」が売上200億、経常利益50億とのことであった。そして、実現可能性がない数字では立てていないとのことである。あくまで長期目線ではあるが、今期の経常利益は9億なので、増資なしで5倍以上の見込みがある。

 現在、ipsはフィリピンへの事業へ大きくシフトしている。
 11月9日公開の2Qの説明動画(http://irtv.co.jp/4390/kes201903q2)5分30秒当たりからによれば、売上200億の話を出した上で、「売上200億円のうち、半分を法人向けのデータサービスから、もう半分をCA事業向けの再販で獲得する」と言っている。この中で日本国内通信や在留フィリピン事業は含まれていないことからも、フィリピン事業へ大きくシフトしていることが分かる。
 経常利益50億を達成したときの内訳は、個人的には海外通信事業(CA事業者向け)とフィリピン国内通信事業(法人向けのデータサービス)で45億、医療美容(眼科など)などで5億程度なイメージである。

2 「期ずれ」について
 10月24日、私の誕生日にipsは上期上方修正したのだが、翌日に大暴落し、何とも切ない誕生日プレゼントとなった。
 その一つの要因となったのが、「期ずれ」についてである。下期へと一部案件がずれたので、売上が未達となった。期ずれについては、売上未達での言い訳に用いられることもあるとのことで、投資家に不信感と失望を抱かせることとなったようである。
 ただ、11月6日付で出たPRで期ずれについて説明があった。
 期ずれ案件の一部については、回線敷設工事の遅延のためにゼネラルサントスにある事業者1社へサービス提供が遅れていたとのことで、12月中にサービスを追加提供することができたとのことである。
 IRに詳細を質問したところ、ミンダナオ島間の回線調達の際に遅れていたものが、12月に開通の目途が立ったということであった。
 またVisayaにおいて新案件を3つ取得したが、これについては今年の事業計画には立っていなかったものである。
 フィリピンという新興国での事業において、事業計画にあたって障害もあるが、一方で挑戦や幸運から得られる新規案件もある。それが今のipsを取り巻く状況である。

3 「Third Telco(サードテルコ)」について
 フィリピン国内通信事業が利益率がおそらく一番高く、今後の伸びしろも多い部分と思われる。
 マニラ首都圏における法人向けインターネット接続サービスである。
 ここで気になるのが、サードテルコである。サードテルコというのは、フィリピンで携帯電話の電波を新規事業者に入札させるというものであるが、チャイナテレコムが落札した。
 これについて、ipsにどのような影響があるかについてであるが、おもにサードテルコは地方の個人対象の携帯事業の分野であって、現在のipsは首都圏において、確実に収益の上がる分野に集中的に取り組んでいるものであり、今の段階でサードテルコの影響は基本的に受けないようである。

4 「通期業績予想の修正」について
 通期修正があれば、PERもより割安になる・・ということもあり、とても期待してしまうが、ipsにおいては、4Q直前まで通期の上方修正は期待できない。
 原因は、「国内通信事業」である。 
 国内通信事業においては、事業者間の通話料金は業界慣習に基づき、本年度単価は3月頃に決まる。ところが、今年は一部の携帯事業者が大幅な値下げを発表した。そのため、使用料の単価に与える影響が不明なので、3月に単価が決まるまで、通期修正はできないようである。こんな所で携帯値下げが影響してくるとは・・
 上方修正をして、下方修正をしてしまうと昇格に影響することから、IPO一年目の会社は特に下方に気を付ける必要がある。
 というわけで、次回の3Q決算においても、どれだけ順調にいっていても通期の上方修正はなされない可能性が高いということをきちんと認識しておく必要がある。


5 終わりに
 11月21日に機関投資家説明会をやるということで、説明会資料もまた楽しみに読みたいと思う。願わくば長期で保有してくれる機関投資家を捕まえてほしい。
 
 個人的にipsの将来性は今年のIPOの中ではピカイチと考えている。
 友人がセブに住んでいるが、フィリピンの成長はもの凄いらしい。フィリピンには住民票がなく、実際には統計以上の人がいるようである。他方で賄賂などがはびこる権力腐敗も起こっているとのことであり、その中で挑戦していくipsは障害も乗り越えていくと信じている。長期投資銘柄として、ゆっくり応援していきたい。