私の長期かつ唯一ロスカットを定めていない銘柄
4390 ips
に水曜日と金曜日に2つ材料が出た。
水曜日の開示は、どちらかというと「わかる人にはわかる」という内容の小ネタである。私のようにipsのことを追い続けている人が、順調さと将来性の大きさを感じてしっかりホールドしようと思わせられる内容であった。
なぜこれでストップ高になったのだろうとはじめは思ったのだが、これまで売られすぎだった反動が出たのだと理解している。
逆に金曜日の開示はPRではなく、投資判断に影響を及ぼす「適時開示」の形で5Gの電波を取ったことが発表された。これは明らかに特大のネタで、個人的には2連ストップ高でも良いくらいの材料である。
ところが、思ったほど株価は上がらず。
Twitterを見ていると、水曜日の小ネタで「超絶!」などと煽られたり、逆に金曜日の5G発表に対して売り煽り(検討違いのものが多かった)が行われたり、市場の反応は歪みも大きいということをまざまざと感じた。
何はともあれ、これだけ注目されることが久しぶりだったので、イナゴが殺到する様子も離れていく様子も刺激的であった。
では、ここから2つの材料を見てみよう。
2 水曜日のプレスリリースの本当の意味
これは、「鉄道会社と契約」を締結したプレスリリースである。
5月15日付の説明資料を読んでもすでに開示してあるとおり、今期でこの契約から想定するリース収益についてはある程度織り込み済みである。
なので、オワコンと織り込んをかけて、こんな売り煽りも出てきた。
まあ、確かにある程度織り込み済みなのだが、私がIRに問い合わせたところ「5Gの基地局と携帯電話基地局のリースについては今期予想には織り込んでいない」とのことだったので、厳密には不正確である。
この方、金曜日はひたすらipsの売り煽りを連投していて、金曜日の5Gの電波取得の開示で盛り上がっているときに、水曜日のネタの売り煽りをしているのは、相当必死さも感じた。ハイ空の決済が1日であるためだと思う。
さて、今回の水曜日のPR、直接的にはインフラリースの契約取ったという内容だが、数字だけ追いかけてもあまり意味がない。
実は後半に本質があって、これからのipsの計画を示唆する内容が含まれている。
それが「8の字バックボーン計画」である。
⑴ まずはこの図から見てみよう。これは、今ipsが進めているマニラ首都圏地域内の主要な都心を結ぶ、環状回線構築の計画である。
今回、MRT3号線を手に入れたことで、ipsの回線がまさに「8の字」を描くように首都圏を取り囲むことになった。
どちらかというと、この材料は鉄道会社と契約できてインフラリース料を取れるようになったというよりも、
「8の字回線に不可欠なMRT3号線を手に入れました!」という意味合いが強いのである。
そもそも今回、鉄道会社との契約については、賃貸借契約料や工事の投資額については、リース料で全て賄える計算になるので、実はほとんどお金を使って投資する必要なしで利益が手に入る構造になっている。
⑵ では、8の字にどんな意味があるのか?
ひとつは「安定したネットワークの構築」である。
確かにマカティからクバオまでは、MRT-
たださらに障害でサービスが止まらないように、
IPSの資料にあ
今回手に入れたMRT3号線は、 オルティガスやクバオとMakatiを結ぶかなり安定性がある道 で、 さらに道路と組み合わせて8の字にしたのがとても大きな意味合い をもつのである。
大手通信事業者も、ここをなんとかしようとはしているものの、 今のところ何とかできていない。 ここにipsが最新の光ファイバーで8の字の回線を作れば、 ほかの都市圏でも大手通信事業者に安定性、 ようは品質で負けないネットワークができるというわけである。
そして、この「安定したネットワークの構築」の人口カバー率は「 6割以上」である。
そうすると、CATVや大手通信事業者も含めて、 非常に魅力的な回線ができあがるわけである。 8の字の内側のメタル回線でできているCATVのネットワークを 光にしたり、5Gのサービスをするにせよ、 この8の字の光ファイバーを使わないといけないということになる のではないか。 IPSは回線を競合に売って収益を得ることに全くためらいもない。
さらに、 今後のipsの法人向けサービスの狙う営業拡大路線の場所がある 程度推測できてくる。(というか図の場所が光っている)
これまではマカティ周辺だったものが、マカティ、 オルティガスに加えて、クバオ、 BGCまで射程圏内に入ってきた。
今後の収益についても、 このエリア拡大により期待ができるようになるわけである。
今後の、ipsのフィリピン国内通信事業について、 8の字バックボーン計画が完成することにより、 さらに期待値が大きくなった。
これが水曜日の材料の開示の本当の意味である。
大手通信事業者も、ここをなんとかしようとはしているものの、
そして、この「安定したネットワークの構築」の人口カバー率は「
そうすると、CATVや大手通信事業者も含めて、
さらに、
これまではマカティ周辺だったものが、マカティ、
今後の収益についても、
今後の、ipsのフィリピン国内通信事業について、
これが水曜日の材料の開示の本当の意味である。
わかる人にしかわからないかもしれないけど、私たち長期ホルダーにとっては期待値が高まってぐっとホールドできる材料だったのである。
3 5G!5G!5G!に挑戦だ!
⑴
ipsの子会社であるInfiniVANに対して、5Gに用いる周波数の割り当てがされた。
今後は、実証実験を行う予定となっていて、業績についてはそれから影響を与えることになる。
さて、いろんな5G銘柄があるが、ipsも5G銘柄に仲間入りした。
今回ipsがすごいのは、日本と比較してみると
日本で5G用の電波を割り当てられているのは
ドコモ、ソフトバンク、KDDI、楽天だけ
なのである。
いずれも時価総額が一兆円を超えている桁違いの会社である。
これに対して、ipsの時価総額は150億ちょっとである。
また、この電波、世界の視点でみると、入札方式で行われている国もあるようで各国の割り当て状況の図が示されていた。
アメリカだと、同じ24GHzの落札額が約2225億円で落札されている。
韓国でも、約614億円、イタリアでも約203億円である。
これだけ超高額で落札が続いているのは、その落札額に見合うビジネスがあるからにほかならない。単純にみると「これで電波使用料をお客さんからとって利益だせるぞよっしゃー!!」と考えてしまうが、それ以外にもたくさんビジネス用途はあるようである。
ちなみに、日本の5Gは27~29GHzだが、アメリカだと24GHzの方が倍以上高く落札されていることからもわかるように、ipsが取った24GHzの方が降雨の影響などにも支障が少なく良いようである。
ちなみに、ipsは時価総額全部で150億円である。
⑵ では、なぜ、小さな会社のipsが財産的価値の極めて高い5G電波の割り当てを受けることができたのか?
NNAの社長の記事によると
「国家通信委員会(NTC)に30回ほど通いつめ、ようやく割り当てを受けた」
とのことであり、ひたすらにお願いを続け、粘り強いロビー活動を行った結果のようである。
その成果として、5G用電波の割り当てを受けたわけである。
こういったところが、他の会社には決して真似できないipsの競争優位性なのかなと思う。
⑶ 今後5Gの電波をどう生かすのか?
5Gを自分のところの資本だけで全国展開しようとすれば設備投資に数千億円かかるようである。そんなお金がipsにあるわけもない。
そこで、ipsは今敷設を続けている光ファイバー網を提供して、5G設備はCATV事業者側に投資してもらってコストを低減する予定のようである。
気になる機器ベンダーがどこと組むのか?については、ファーウェイ問題を懸念しているようである。
そこで、シリコンバレーの新興企業なども含めて検討していく予定とのことである。
とにかく本当に楽しみである。
今回の8の字バックボーンの回線の完成で、首都圏の人口を約6割カバーできると開示されていたが、NNAの記事においては、これに5Gが加われば、人口の約8割までカバーできるようになる見込みとされている。
イナゴが大量に群がり、短期的には上にいったり下いったりしているipsだが、
長期ホルダーとしては、どんどんipsのサービスが魅力的になり、拡大していくのを楽しみにしたいと思う。
説明会で具体的に出てきた、「5年後までに売上200億、経常利益50億」、今はまだ投資フェーズであるが、これが花開くのはそう遠くないと思っている。
今後も、長期目線で応援していきたい。