2018年11月23日金曜日

4390 ips アイ・ピー・エスの機関投資家説明会資料を読んで(2018.11.23)

1 はじめに

11月21日、アイ・ピー・エスは機関投資家向けの2Q説明会を行った。
IRは、機関投資家向け説明会が始まるよりも前の午前11時に、個人投資家も見ることができるように、資料を公開している。

アイピーエスについては2週間前に一度ブログに書いており、
11月9日の2Q決算短信と動画を見たときのことは
「4390 ips アイピーエスの検討」
↑↑↑にまとめている。

株価は本日現在で6890円。上場初日か、ここ最近で買った人以外は全員含み損のはずであり、つらい気持ちの人が多いかもしれない。チャートも壊れている。
ただ、私の中ではこの銘柄はテンバガー候補と考えており、その考えが強いせいか、あまり含み損もストレスにはなっていない。
そして、今回発表された資料を見て、さらに考えは強まっている。どれだけ高値掴みした人も、中長期でみれば助からないipsなど存在しないと本気で思っている。

さて、今回、公表された決算説明会資料で、新しいことがいくつか分かった。
内容は60ページにわたるものだが、とても内容が充実している。

ipsについては、「フィリピンは伸びそうだけど、色々な事業をやっていて、詳しいことはよくわからない」という人が多かったと思う。
結構ipsについて調べている私ですらそうだったのだから、みんなもきっとそう(にちがいない)。

良くわからないままだと、下期がどうなるのか、来期がどうなるのかについては中々イメージしにくい。そうするとこれだけ株価が下がるとホールドしにくい。という流れにつながるのも良くわかる。

それが、今回の資料では、各事業について数字と強みが丁寧に説明され、イメージが非常にクリアになった。

また、今回の資料でinifiniVANのフィリピンへの上場も含めて、いくつかの新しい情報がわかった。

というわけで、今回は、資料をもとにしてポイントをまとめてみたい。

2 海外通信事業について

フィリピンにあるケーブルテレビ(CATV)向けの事業である。
今回の資料で、長期にわたって、取引先は20社であったことがわかった。同じ取引先から徐々に回線の注文量が増えていく形で売上を伸ばしていたものと思われる。










それが、今回の3Qで取引者の数が20⇒24へと増えた。
これまではずっと取引業者数は20社であり、3Qで4社増えた。その経緯は、11月6日のプレスリリースに記載されている。

今回、新規の取引先は売上が1社あたり1~3億でこれを5年で計上するとのことであり、1社あたり年間売上は2000万~6000万円となる。
そして、新規取引先のCATVが地域の住民らに営業してインターネット契約をしてもらう数が増えれば、また回線の量を増やすために再注文があるような形なのであろう。

ここからである。今回、初めて今後取引先が拡大していく見込みであることが公表された。
Qごとに4社を目標とし、今期4Qで28社、来期1Qで32社、来期2Qで36社、来期3Qで40社、4Qで40社フルになることを予想している。
来来期、新規が20社フルで契約が取れていれば、今よりも4億~12億の範囲で売上げが伸びる。利益率も前期を基準とするかぎり、約3割と高い。

もちろん、現状の20社の取引先は長年かけて徐々に売上が大きくなっているものであるから、取引先が倍になったからといって、売上も利益も倍になるというわけではないことには注意が必要である。

この目標は実現可能性に乏しいものではなく、すでに合意を形成している段階のものもあり、なんとかやってくれそうな気がしている。

5年かけて払うということで、ストックビジネスに近くなることも心強い。

来年5月の来期予想でも、この伸びは同じ見込とすることが予想される。売上も利益も右肩上がりにいくことが期待できる内容である。

3 フィリピン国内通信事業について


マニラを中心とした都心部における法人向けのサービスである。
私が、一番期待している事業でもある。

今回、ビル数に法人顧客数、そして、帯域量の数字が新たに分かった。
・ビル数というのは、光回線をとおしてipsがサービスを提供可能になったビルの数である。これがないと営業をかけにいけない。
・法人顧客数というのは、今現在の契約をとってきている法人の数である。
・帯域量というのは、単位はメガであるが、大口顧客は帯域量に応じて料金を支払う形になっている。
 帯域量に20ドルを掛け算して、古い取引先の基本料を足し算すると、月の売上高が推測できる形になる。大口需要家を優先して営業しているとのことなので、帯域量×20$が徐々に月売上に近づいていくことが予想される。

注目すべきは、その伸び率である。
法人顧客数は、半年間で2倍近く
帯域量については、半年間で4倍以上
となっている。

しかも↓をみると、市場規模800億円の中、シェア15%を目標にしているとのことで、本気で年間売上120億を目指している。
光回線を開通させてビルを増やす⇒営業をかける⇒契約してサービス提供
の流れを繰り返して、将来的には1ヶ月売上10億まで、是非とも頑張ってほしい。





4 医療美容事業について

 


 
 売上高が急激に伸びている。
 レーシックの施術数は、フィリピンで1位である。
 レーシックは手術時間が両眼で3分と非常に短く、現場の2クリニックでもニーズに対応できているとのことであり、収益力も高く、このまま安定成長を続けて欲しい。
 市場規模との兼ね合いで、成長にも限界はあると思うが、今の状況のipsにおいては、ありがたい売上と利益である。

5 おわりに

 沿革をみていると、今ipsは日本国内で行う国内通信電気事業、在留フィリピン事業からフィリピンでの事業へと大きく転換していることが分かる。

 今回、数字が加わったことによって、非常に資料が説得的に感じた。この資料と説明をもって、機関投資家を願わくばぐっと捕まえてほしい
 
 今、大きな挑戦の時期にあるipsを、乗り越えてくれると信じて、応援していきたい。